子供が生まれた瞬間感じた「Circle of Life」

2024年8月14日水曜日

産婦人科の分娩室で大きな泣き声と共にこの世に出てきた子供を初めて見た時、新しい命という感動と出産の痛みに打ち勝った妻への感謝と共に、ふと「Circle of Life」を思い出しました。そう、ライオンキングのあの曲のタイトルです。

曲のメロディが頭に響いたわけではなく、「生命の循環」という曲のタイトルが頭に浮かんでいたのですが、その時は看護師さんたちが教えてくれるいくつかの案内を聞いているうちにその曲のことは忘れていました。

今振り返ってみると、自分もまた大自然の一部であることをその時確かに感じたような気がします。文明社会の中に生きていますが、地球という惑星の中に存在する抗えない大自然の秩序を瞬間的に感じたのではないでしょうか。

私と妻が新しい命に向き合ったその瞬間を、昔の私の両親も私を通じて向き合っていたに違いありませんし、妻の両親も同様だったでしょう。そして今生まれたばかりのその子も、遠い将来に誰かと出会い新しい命に向き合うことになるのではないかという考えが、後から瞬間的に脳裏をよぎったことに気づきました。

時代が変わっても新しい命が誕生した時の感動が続くのなら、これがぐるぐると回る生命サイクルの起点だと言えるかもしれません。だからこそ、その曲のタイトルが思い出されたのかもしれません。

ライオンキングの映画をもう一度振り返ってみると、動物たちの王であった父ライオンのムファサの元に生まれた子ライオンのシンバが、様々な紆余曲折を経て映画の終わりには大人になり、王の座を継ぎ、新しい子供も持つようになります。 ムファサからシンバへ個体は変わりましたが、大人になったライオンが動物たちの王になるという点は変わらずに維持されているのです。

生命の循環という自然の法則の中で、親と私、そして私と子供の間で変わらずに維持しなければならないものは何でしょうか? 時代を超える無形の糸をどう定義するかによって、私たち家族だけの生き方や教育哲学に気付くのではないかと考えが浮かびます。

まるでオリンピックが4年ごとに開催地は変わりますが、オリンピック精神は変わらずに維持されるように、私たち家族だけの精神が、いつどこでどのように生活しても変わらず引き継がれていくことを想像するのです。